スニファーは必ずしも悪意があるとは限りません。実のところ、このソフトウェアは問題を検出して作業の効率的な流れを維持するために、ネットワーク トラフィックを監視して分析する目的で一般に使用されています。しかし、スニファーは悪意のある目的で使用されることもあります。スニファーは、暗号化されていないパスワードやユーザー名を含め、自身を通過するすべてのデータを記録するため、スニファーにアクセス可能なハッカーは、そのスニファーを通過するあらゆるアカウントにアクセスできます。また、スニファーはデバイスそのものへのインストールは不要で、ローカル ネットワークに接続されている任意のコンピュータにインストール可能です。別の言い方をすると、接続している間中、探知されることはありません。
ハッカーはスニファーを使用してデータを盗んだり、ネットワーク活動をのぞき見したり、ユーザーに関する情報を収集したりします。通常の場合、最終目的はバンキングやショッピング サイトのパスワードとアカウント情報を入手することです。ハッカーは一般にコーヒーショップ、ホテルや空港などの安全対策が施されていない Wi-Fi 接続を提供する場所にスニファーを配置します。スニファーは、機密情報を盗むために、スプーフィングとして知られている攻撃でネットワーク上の他のデバイスになりすます目的でも使われます。
未承認のスニファーを探知するのは事実上不可能で、ほとんどどこにでも挿入できるため、ネットワーク セキュリティにとっては極めて危険な存在です。初心者のユーザーは、スニファーが自分のネットワーク データを傍受しているかどうかまったく分からない可能性が高いです。理論的には、自分自身のスニファーを実行して DNS トラフィックを監視し、他のスニファーを見つけることが可能ですが、標準的なユーザーにとっては、アンチスニファー ソフトウェアを実行して侵入者を捕えるか、ウェブ閲覧活動を隠すインターネット セキュリティ プログラムを使用する方が簡単です。
強力なアンチウイルスを使用し、コンピュータにインストールされているスニファーに関連するマルウェアを見つけて除去することができます。しかし、コンピュータからスニファーを完全に追い出すには、スニファーに関連付けられているフォルダとファイルを削除する必要があります。一方、ネットワークにこっそりとインストールされているスニファーを除去するには、ネットワークにある問題を見つけ、それに対処する方法を指示してくれるネットワーク スキャナが含まれているインターネット セキュリティ ソフトウェアを使用するとよいでしょう。
